独りじゃなくちゃできないこと、みんながいるからできること。


『NARA:奈良美智との旅の記録』を観てきました。
ドキュメンタリー調、と聞いていたので、『もしや途中で寝てしまうんじゃ!?』なんて
馬鹿な不安もあったのですが、これはちゃんと『映画』でした。
しかも『実際にあった、素敵な現実の物語』。


内容は、奈良さんのインタビューと、
世界中を旅して、青森県弘前市にたどり着いた『AtoZ』の軌跡。
一人でできる、だけど必然的に“独りぼっち”になってしまう
『絵を描く』という行為をずっと続けてきた奈良さんが、
grafという仲間に出会ったことによって、そして沢山のボランティアに支えれらて、
『小屋を作る』という、到底一人ではできないことを成功させた。
これって、本当に素敵なことだな。
だって、私だって独りぼっちでも生きていけるだろうけど、
仕事に追われて辛すぎる今をどうにか楽しく過ごせてるのは、
同じ音楽が大好きなあの子とか、
一緒にライブに行ってバカ騒ぎできるあの子とか、
幾つになっても会った途端に18歳に戻れてしまうあの子達のお陰。
独りぼっちで生きていけなくもないけど、
何だかんだいって皆に支えてもらってるから、
今の私は私らしく生きていられるんだな、って思った。


奈良さんが描く女の子の絵が、独りぼっちで寂しいんだけど
それを悟られないように虚勢を張ってるようなきつい目つきから、
身の回りにあるいいこと、わるいこと、いろんな事を包み込んでしまうような
優しい表情に変わっていってるのには、
そういう『仲間ができた』っていう事も関係してるのかな?なんて思ったりした。
あ〜『AtoZ』に行って良かった。この映画が観れて良かった。
奈良さんと、奈良さんが創り出すいろいろなものに出会えて良かった。


そして余談ですが、挿入歌がbloodthirsty butchers少年ナイフ
エンディングがeastern youthと、
ロック好きには堪らない選曲だったのが良かった。
奈良さんが普段聴いてる音楽とか、着ているTシャツにニヤリとしてしまう事も何度か。
そういう面でも私にとっては興味をそそられたから観易かったです。


…ふぅ。普通の映画よりも感想書くのに悩みまくった。
絵に造詣が深いわけじゃないんで、『何偉そうに言ってやがるこの小娘が!!』って
ファンの方とかに怒られてしまいそうですが。
ちなみに公開初日に行ったのに、お客さんは私を含め5人しか居ませんでしたw
あまりにも人が少なかったんで、ブーツを脱いで両隣の椅子をフル活用し、
自宅ばりのくつろぎっぷりで観てきましたよ(行儀悪っ!!)
そしてめちゃくちゃ可愛いパンフレットと、映画のポスターを衝動買い。
2000円のポストカードを買う勇気はありませんでした…orz